口だけゲームブックの思い出とクトゥルフ神話TRPG

口だけゲームブックの思い出

小学生の頃、給食の待ち時間の間に、「口だけゲームブック」をやっていました。

「口だけゲームブック」とは何か。

それは「あなたは今、XXXXにいます。どうしますか?」から始まり、プレイヤーに好きな行動を取らせ、アドリブでストーリーを展開していくという遊びです。

ゲームブックを会話形式に置き換えて、自由度を高めた遊びですね。

学級内でこんなことをやり始めたのは僕です。こんな名前を付けたのも僕です。

だから「口だけゲームブック」はたぶん僕しか使っていない遊びの名前です。

今考えてみれば、これはデータなしの完全アドリブTRPGをやっているようなものなんです。

が、この当時の自分はまだTRPGの存在を知りません。

TRPGとの出会いの思い出

たしかTRPGと出会うのは「口だけゲームブック」を始めて2年後くらい。

友人から「GURPS妖魔夜行」を渡されて、

「ゲームみたいなんだけど、よくわからないから解読して欲しい」

と、言われたのが始まりでした。

しかし、僕の回りにはTRPGのことを教えてくれる人が誰もいなかったんです。

当時はまだインターネットもありませんし、携帯電話も一般化していません。

書店で「GURPSがよくわかる本」に出会うまでは、そもそも自分が出会ったものが「テーブルトークRPG」という物だという認識すらありませんでした。

そんなわけで、「TRPGとはなんなのか」を理解したときには、最初に出会ってから1年くらいが経過していたわけです。

口だけゲームブックからテーブルトークRPGへ

「テーブルトークRPGとは何か?」を理解してからは、僕はこの遊びの虜になりました。

自分から「口だけゲームブック」とか開催していた人間ですから、今ではこの出会いは天命だとすら思っています。

TRPGをやりたい僕は、自分で情報を集めて、仲間を開拓して、シナリオを作って、GMをやってゲームプレイにこぎつけました。

それからは、やまほど間違いを犯しました。

ずいぶんとプレイヤーたちを置いてきぼりにしました。

本当に悪いゲームマスターだったと思います。

(この辺りの思い出は、語り出すと長くなるのでまたの機会に。)

様々な経験を経たあと、自分の居場所は「自由奔放な口だけゲームブック」から「システム化されたTRPG」に移りました。

自分の輝きやすいフィールドは「ログホライズンTRPG」とか「インセイン」のような、システムの縛りが強く働くTRPGであることが分かってきたのです。

クトゥルフ神話TRPGの流行に思うこと

ところがここに来て、クトゥルフ神話TRPGの大流行です。

TRPG=クトゥルフ神話TRPGと思っている人も増えているという話です。

僕はクトゥルフ神話TRPGは「あまりシステム化されていないTRPG」の1つだと思っていて、シナリオを作るほうも、回すほうも、そんなに得意じゃありません。

一応エクスキューズしておくと、クトゥルフ神話TRPGを楽しくプレイは何回もありますし、好きなゲームではあります。

ただ、昨今のクトゥルフ神話TRPGの流行を見ていると、流行に乗って遊んでいる人たちが求めているのは「システム化されたTRPG」ではなく「自由奔放な口だけゲームブック」のほうなのだろうと思っています。

だとすると、シナリオに凝る意味は薄いのかな、とも思っています。

「口だけゲームブック」ならゲームマスター(キーパー)のアドリブ力が9割ですから。

シナリオなんて、参加者の創造力を刺激する舞台だけ設定してあげればそれで十分なのかもしれませんね。

もう一度、原点へ

今、クトゥルフ神話TRPGのシナリオを1つ公開準備中です。

これを公開したら、もう1本クトゥルフのシナリオを書こうと思っています。

その時は小学生のとき「口だけゲームブック」で楽しくアドリブしていたことを思い出しながら、シナリオを書いてみようと思っています。

クトゥルフに関しては、そのほうが、よいものができる予感がするので。

さて、どんなものができるやら。

自分自身が楽しみです。