TRPGシナリオ作りの落とし穴(4)感情の欠落

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俺「ぐははは! やはり俺は天才だ。破綻のない完璧なシナリオが出来上がっちまったぜ」

僕「おつかれさん、よくできました。確かにこのシナリオならプレイヤーに左右されずにエンディングまで行けそうだね」

俺「おう、完璧だ!」

僕「……でもさ、これクトゥルフ神話TRPGのシナリオだよね?」

俺「そうだが?」

僕「根本的なことをきくけど……このシナリオ、怖い?」

俺「……ん?」

僕「ホラーRPGのシナリオだよね? プレイヤーが怖がれるように作ってある?」

俺「……さあ?」

 

感情を揺さぶるからこそ面白い(特にホラー)

破綻のない、伏線の効いてるシナリオができあがったとき。

気分が良いものですよね。

でも、破綻がないシナリオが面白いとは限りません。

特にクトゥルフ神話TRPGの場合はホラーRPGです。

ハラハラドキドキできる展開がないと、せっかくホラーゲームが台無しです。

なおで、シナリオを組み上げる前に、

「このシナリオでプレイヤーの感情を揺さぶるポイントはどこか?」

を、考えておきましょう。

プレイヤーの満足度が大きく変わってくるはずです。

 

「プレイヤーがどう感じるか」は大事なポイントです。

が、物語の完成度ばかり追い求めてシナリオを作ると、意外と見逃しがちなので要注意です。

 

ホラーじゃなければ感情のことは考えなくていい?

感情を揺さぶるポイント(長いので、感情ポイントと呼びます)は、クトゥルフやインセインなどのホラージャンルでは必須のものです。

では、ハック&スラッシュなダンジョンRPGなどではどうでしょうか。

実はダンジョンRPGでは、あまり考慮しなくてよかったりします。

強敵と報酬を用意するだけで、感情ポイントが生み出せてしまうからです。

また、ダンジョンRPGでなくとも、FEAR系のゲーム(ダブルクロスとか)などでは、感情を盛り上げるための作法がシステム内に盛り込まれています。

なので、作法にそってシナリオを作れば、感情ポイントとか考えなくても、面白いシナリオが作れてしまったりします

 

 

 

ホラーじゃなくても感情のことを考えたほうがいい!

前述のように、ダンジョン攻略などなら、感情ポイントなど考えなくても面白いシナリオができます。

でもプレイヤーの感情ポイントを念頭に置いておくと、もっと面白く作れる。

私はそう思います。

「もっとワクワクしてもらう」「ここでドキドキしてもらおう」そう思うことが、効果的な罠や宝の配置に繋がっていくからです。

ランダムダンジョンなどでは味わえない、人がつくるシナリオの「味」が、そこにあるのだと思っています。

 

まとめ

結局のところ、「感情ポイントを考える」とは、「プレイヤーの目線に立って、プレイヤーが楽しめるように思いやること」なのです。

シナリオのあらすじを考えたあと、本格的に作り込む前に、一旦プレイヤーの目線に立ってみてくださいね。

くれぐれも独りよがりのまま突っ走らないようにご注意を。

 

おまけ

こんな本もあるようです。私は読んだことないですが、気になる方はどうぞ。

昔からのゲーマーにはお馴染み、細江ひろみさんの本ですね。

 

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TRPGシナリオ作りの落とし穴(3)最悪の想定

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俺「ふひひひ、これで本当に完璧。だれでもクリアできるシナリオができたぜ!」

僕「クリアできればいいってわけじゃないけどな」

俺「なにィ? この前は難しくするなとか言ってた癖によぉ」

僕「本当の問題は難易度じゃない。スムーズにシナリオが進行できるかなんだ」 

俺「あん? 何が違うんだ?」

僕「そうだなぁ……。たとえば、お前の作ったシナリオ、オープニングでPCたちが呪文を唱えて呪われるシーンがあるけどさ、これPCが嫌がって呪文唱えなかったらどうなんの?」

俺「あー、その場合は呪われないなぁ」

僕「かけられた呪いを解くのがシナリオの目的なんだから、呪われなかったら探索するモチベーションなくなるぞ」

俺「う……」

僕「基本的にPCは勝手に動く。それを忘れちゃあいけない。どうしてもPCの行動を強制する必要があるなら、『すでにそういう行動してしまった』ことにしてシナリオを開始したほうがいい」

俺「じゃあ、このシナリオは呪文を唱えたもこまではGMに説明させたほうがいいのか」

僕「安全に進めたいならそう。だけど、今回のケースだと別の解決方法もある」

俺「お、マジか? なんだよ、早く教えろよ」

僕「簡単なことだよ、『呪文を唱えなくても呪われる』ことにしてしまえばいい」

俺「えー」

 

TRPGの主人公は勝手に動くもの

自分の作ったシーンが気に入りすぎて、PCに行動を決めつけてしまいたくなる。

これもシナリオ制作あるあるです。

こうした精神状態でシナリオを作ると、「PCが行動しなかった」場合のことが、欠落してしまうことがあります。

 

私も、

「んー、ここでこういう行動取られたら困るけど、まさかそんなことしないだろー」

と思って放置していたシナリオのバグに、PCが見事にハマってしまった経験があります。

 

自由に行動させたらシナリオが進行しない?

じゃあ、プレイヤーの自由にさせればいいのでしょうか。

はい、原則そのとおりです。

PCはプレイヤーのものですからね。

でも、こわいですよね。

プレイヤーは自由にさせると、すぐに放火したり、粉塵爆発させたり、マーシャルアーツで旧支配者に挑みかかる生き物だからです。

でも、やりたいと言い張るならやらせるしかないです。

その先に最悪の結末が待っていようとも。

GMにできることは「本来のシナリオの目的は何か」をしっかり提示することと、「その行動の結果、〇〇になると予想されるが良いか」と警告することの2つです。

それでもプレイヤーがズレたことをやると言い張るならば、行動の結果、潔くゲームオーバーを宣言したほうが良いでしょう。

 

 

最悪を想定してシナリオを作る

シナリオ制作者が行うべき、最強の対処。

それは「プレイヤーが何もしない場合どうなるか」をシナリオに明記しておくことです。

これさえ明記しておけば、プレイヤーが何をやらかし始めても、焦らずにシナリオを進行することができます。

つまり「PCがいなくてもシナリオが動くように想定しておけ」という話なんです。

タイムリミットとか良いギミックですね。

「なにをやるのも勝手だけど、タイムオーバーしたら君たち死ぬよ」

と、警告も出しやすくなります。

 

まとめ

今回の話はRPG全般についての話ですが、プレイヤーの自由度が高いクトゥルフ神話TRPGでは、「最悪のシナリオ」を用意しておくことは、進行を守るための強力なリスクヘッジになります。

みなさんもシナリオを作るときは意識してみてください。

 

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TRPGシナリオ作りの落とし穴(2)凝ったシナリオ

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俺「くくく、やっぱり俺は天才だ。こんな複雑なシナリオを組み上げちまうなんて。さらにルートを分岐させれば、もっと面白くなるな。よし、新ルートを追加するッ!」

僕「やめんかい。新ルートは言わずもがなだけど、複雑なシナリオとかマジでやめろ」

俺「ルートが5つに分岐するんだぞ。プレイヤーも大喜びだろ」

僕「プレイヤーが体験できるのは、そのうち1つのルートだけ。ギャルゲーじゃないんだからルート分岐があっても意味ないわ。別ルートやりたきゃ別のシナリオやればいい話だろ」

俺「伏線もバッチリで、オープニングの選択がエンディングに影響したりさぁ……」

僕「ロングパスすぎて誰も覚えてねえよ。そんなギミック伝わんないよ、。はいはい全部ボツボツ!」

 

凝ったシナリオは制作者の独りよがり

シナリオを作っている時はテンションが上がって、何かと凝ったシナリオを作りがちです。

困ったことに、凝っている方が面白そうに思えてしまうんですよね、作っている側としては。

でも凝ったシナリオは8割型、シナリオ制作者の独りよがりです。

プレイヤーにその素晴らしさが伝わることは稀だと思います。

理由は頭書の寸劇にもありますが「プレイヤーはプレイヤーの目線でしかシナリオが体験できないから」です。

プレイヤーたちは自分たちの冒険を楽しみに来ているわけで、重厚な物語を目当てに来ているわけじゃありませんからね。

多層構造のシナリオなんて展開されても、神の視点を持っていないので楽しめないのです。

そして、凝ったシナリオにありがちな「どんでん返し」も、TRPGではやらない方がいいと私は考えています。

 

シナリオに仕掛けられたどんでん返しは裏切りに等しい

エンターテイメントでは、クライマックスにどんでん返しを仕掛けて読者の期待を裏切るのは常套手段です。

が、これをTRPGでやるのは危険です。

プレイヤーたちは提示された目的を達成しようと一生懸命なんですから、根底の覆るようなことをされたら自分たちの努力はなんだったのかという気分になります。

小説や映画は、読者が主人公たちの悪戦苦闘を傍観するからよいのです。

でもTRPGは、読者が主人公です。

当事者としてどんでん返しを食らうと、とても嫌な気分になるでしょう。

 

 

じゃあどんなシナリオならよいの?

ずばりスタンダード、イズ、ベストですね。

目標や障害か明確で、調査や探索の結果、解決方法がわかり、最後の障害を乗り越えて解決に向かう。

これです。

「 えー、そんなシナリオどこにでもあるじゃーん」と思うかもしれませんが、それで良いんです。

スタンダードな進行の上に、どうオリジナル要素で味付けできるかが、シナリオ制作者としての腕の見せどころなわけです。

 

これは適当に言っているわけではなく、自分の経験からそう思っているのです。

簡単に作ったシナリオは受けがよく、練りに練って凝って作ったシナリオは受けが悪いです。

 

セッションに向かう電車の中で作ったシナリオが、大いに盛り上がったことだってあるんです。

凝ればいいというわけではないんですね。

ようするに、シナリオ制作に妙に凝るようになってきたら要注意ということです。

もっと力を抜きましょう。

 

ちなみに参考になるシナリオとかありますか?

他人が作ったシナリオはほとんどやらないので、私は参考作品は分かりません!!

基本ですがまずはルールブック付属のシナリオを分析するのが大事でしょう。

あと時代劇はシナリオの見本として良質な素材だと思っていますので、みなさんも時代劇見ましょうね!

 

 

 

 

 

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TRPGシナリオ作りの落とし穴(1)リドル

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俺「ふふふ、また面白くなっちまうぜ。やっぱり俺は天才だ! 新ルートを追加するッ!」

僕「おいこら、テストプレイするつもりもないのに新ルートとか追加するんじゃあない」

俺「ダメだねッ! このルートが追加されることにより、オープニング投げっぱなしだった伏線が回収される! このルートを削ったら絶対にダメだ!」

僕「それは分かったから、もうちょっと分岐条件を緩和しろ。せっかくのルートに誰も来てくれないぞ? あとリドルとか追加するんじゃあない。RPGなんだからリアル知力じゃなくてロールで解決させろ」

俺「ダメだねッ! このリドルがあることでタイトル回収になっている! このリドルがないと画竜点睛を欠くようなものだ!」

僕「だからってノーヒントでリドル置いてんじゃねーよ! しかも正解がめちゃくちゃ分かりづらいじゃねーか! もっと納得のいく解答にしろって!」

俺「せいぜい4つ言葉を正しい順番に並べ替えるだけだぞ? いけるいける」

僕「4つもあったら24通りもあるぞ? リドルの危険性分かってんのか!? ふざけんなよーーーー!!!」

 

以上、この一週間のガミジの脳内会話より。

クトゥルフ神話TRPGシナリオ「腐海の織唄」は順調に製作進行中です。

脳内では上記のような修羅場が発生してますが。

金曜に公開は難しいかもですが、月内にはいけそうかなと思ってます。

 

リドルってやばいの?

ミステリーが好きだとシナリオの中にリドル(謎かけ)を仕込みたくなってきます。

シナリオ制作者あるあるです。

でもリドルを出すのは注意したほうがいいんです。

理由は以下の3点です。

  • 作成者が思うほどプレイヤーはすらすら解けない。
  • リドルが解けなかった場合にシナリオが解決しなくなる。
  • プレイヤーからすると作成者の脳内宛を強いられて不快

めっちゃくちゃ面白くてすっきり解ける問題を用意できたならいいんですけどね、だいたいそうはならないんですよ。

作ってる最中はテンション上がりすぎテンションが上がりぎて複雑な謎を作ってしまいがちです。

結果、プレイヤーたちが「なんじゃそりゃー! わかるかー!」って言いたくなるような謎が出来上がってしまいます。

よーくよく、作った謎を客観視して、難易度を見極める必要があります。

自分の感覚では「やだー、これじゃあ誰でも正解できちゃうじゃないですかー」っていうくらいで丁度いいです。

 

僕「そうか。なら、リドルを入れるのはやめたんだな?」

 

やめません。

 

後付けリドルを搭載したシナリオ「 腐海の織唄」 は近日公開です☆

 

 

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子どもとキャット&チョコレート

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今日は雨だったので、ほぼ1日家の中で過ごしました。

ということで、ずっと子どもたちに付きっきり状態に。

でも、ずっと遊んでいると、遊ぶネタも尽きてきますね。

そんなとき、4歳の娘が棚の上に置いてあった、あるカードゲームを見つけたので、久しぶりに遊びました。

「キャット&チョコレート」です。f:id:gamiji:20220319230849j:image

カードに書かれたシチュエーションを、配られたアイテムを使って乗り越えるという、ゲームです。

「アイテムをどう、使うのか」をプレイヤーは自由に語ることができます。

その使い方が適切かどうか、他のプレーヤーたちが判定します。

過半数の人ヨシと判定してくれれば、1ポイント獲得となります。

ほんとは、複数人で遊ぶゲームなんですが、うちでは娘が遊んでパパは判定するだけです。

ヨシの判定を出してあげると、「やった!」と言ってめちゃくちゃ喜びます。

かわいいです。

そして使えそうなアイテムがないと「ないなぁ〜」と、考え込んだ顔で唸っていました。

いつの間にかゲーマーらしい顔をするようになったものです。

 

よろこんでいいのやら、心配したほうがいいのやら。

複雑です。